Company Profile

沿 革

1985年 佐賀道彦が砥部町川登にて創業。
1988年 玉縁鉢の制作を開始。
1996年 伊予郡松前町に工房を移転。
1998年 敷地内に第2工房を新築。
2004年 JR四国「特急いしづち」のリニューアルに伴い手洗い鉢を制作。
2014年 みきゃん商品の制作を開始。
2014年 愛媛の伝統工芸品カタログ「すごモノ」に掲載される。
2014年 JR四国観光列車「伊予灘ものがたり」の車内で使用する食器を制作。
2014年 伊予郡砥部町の国道33号線、中央分離帯に設置されたモニュメントの絵付けを手掛ける。
2016年 タオル美術館、コラボ陶板の制作。
2017年 直営通販サイトの開設。
2018年 「株式会社 梅乃瀬窯」として法人化。
2018年 道後温泉「ホテル葛城」様のホテルリニューアルに伴い陶板画を制作。
2019年 「ホテルていれぎ館」様の客室リニューアルを手掛ける。
2019年 愛媛県窯業試験場のドア用陶板を制作。
2019年 松前町ふるさと納税返礼品に選ばれる。
2019年 会社ロゴマークを刷新。
2020年 ECサイトをリニューアルする。
2020年 砥部町川登に「カフェ&ギャラリー もえぎの」をオープン。
2021年 砥部焼の通販サイト「とべまちモール」を開設
2022年 砥部町川井に第三工場建設
2023年 ペット用品開発予定

 

梅乃瀬窯 会社概要

商 号 株式会社 梅乃瀬窯
本社所在地 〒791-3155愛媛県伊予郡松前町鶴吉813-1
電話/FAX TEL/FAX:089-985-2387
創 業 1985年1月
主要取引銀行 伊予銀行 砥部支店
資本金 300万円
事業内容 陶磁器、陶板、アクセサリーの製造及び販売、飲食
県内主要販売先 砥部焼観光センター、砥部焼陶芸館

 

梅乃瀬窯YouTubeチャンネル

コーヒーカップの制作

砥部焼のコーヒーカップ&ソーサーを成形から完成までご覧いただけます。カップに描かれたハナミズキ柄は、針やカンナで溝を掘って顔料を埋め込む「呉須象嵌」によるもの。「梅乃瀬窯」の先代より継承された特別な技法です。

DX推進への取り組み

【デジタル技術が陶磁器業界に及ぼす影響】
陶磁器は世界最古の科学技術を用いた道具と言われております。これまで数えきれないほどの道具が生み出されては消え、生み出されては消え、そして人々の暮らしがより豊かになるよう便利で使い勝手のいい道具へと進化してきました。

しかし、食卓用陶磁器に限っては太古からほとんど姿かたちを変えていません。約1万年前から2万年前に日本や中国で出土された土器を見ると現代で売られていてもそれほど違和感のない見た目です。(縄文土器は除く)当然ながら食料を保存しておいたり料理を盛りつけたりするといったシンプルな道具であり使い方も昔から変わっていないので、何か特殊な機能を持たせる必要が無く、手で持った時の重さや強度などを気にかけていればモノとしては十分成立します。そのため、器づくりをしているところは形状やデザインで他社と差別化を図り、お客様の求める器を作ることが大切です。

ただそれだけでは日々目まぐるしく変化する現代では生き残れません。お客様に価値を提供し続けるには最新のデジタル技術を取り入れることが必要不可欠となってきております。前述のように焼き物はとても古い産業なのでデジタル技術に前向きではなく、多くの職人、経営者は昔からのやり方に固執している傾向があります。それが良い悪いではなく、デジタルとうまく付き合っていくことで生産性が上がり、お客様も買い求めやすい価格にすることが可能です。

また、生産性やコストの削減にとどまらず、業務上のあらゆる管理が容易になり、商品開発期間の短縮、新たな領域への進出・商品展開など様々なメリットがあります。例えば新商品を開発する場合、今まで手描きで行っていた製図をCADを用いて設計すれば後からの修正も容易で社内外でのデータ共有も行えます。現状、大量生産の窯元を除くとほぼ全ての工程が手作業で、うつわ1個作るだけでも多大な労力と時間がかかっています。

もちろんそれが工芸品の良さでもありますが、会社が立ち行かなくなってしまっては元も子もありません。 デジタル化といっても何もすべて全自動でロボットが器を作るというものではなく、人間がやってもあまり意味のないこと、重労働あるいは煩雑なことなどをデジタル化していくというものです。

【経営ビジョン】
・世界の食卓へやすらぎを届ける

・シンプルで飽きの来ないデザインを追求する

・原料調合から製造・販売まで一貫体制で行う

【経営ビジョンを実現するための戦略】
<世界の食卓へやすらぎを届ける>
砥部焼は、県内には広く知れ渡っており実際に使われていることが多いですが、全国的な知名度が低く世界はおろか日本国内でもあまり知られていないのが現状です。国内には主要な陶磁器産地が30程度ありますが、砥部焼はその中でも数少ない磁器の産地であり現在もなお手作り手描きが大切にされております。これは誇れることであり、もっと積極的にPRすることで良さを知ってもらい使っていただくことが可能だと信じています。

そのためにはまず、実際に砥部へ足を運んで「見て」「触って」もらうことです。個々の窯元で有名になるのも良いですが産地一丸となってPRした方が地域活性化に繋がります。九州の「波佐見焼」は昔はあまり知られていない産地でしたが、地域に人を呼び込むことで知名度が全国区になり、日本はもとより世界でも使われるようになりました。もちろん波佐見焼は元から産地としての規模が大きく、分業体制で築いた確かな技術という下地があった上での成功なので、砥部が同じようにとは行かないかもしれませんが挑戦はするべきです。県内では「今治タオル」の復活がいい例です。

当社としてできることは、窯元や関連企業、行政と協力してギャラリーやカフェなどの観光スポットをつくることです。砥部にはたくさんの空き家があります。空き家をリノベーションして人を呼び込める施設をつくれば初期投資も抑えられます。このように官民一体となって少しずつでも街づくりを行うことで、次第に点と点が繋がり観光客が増え交流人口が拡大します。当然施設をつくるだけではお客さんは来ないので情報発信が必要なわけですが、当社はSNSでの情報発信を得意としておりますので率先して行っていく計画です。そして最終的には海外展開を見据え最新デジタル技術を用いたバーチャルショップの開設、さらには海外にも砥部焼情報発信の拠点を設け「世界の食卓へやすらぎを届ける」というビジョンを達成します。

<シンプルで飽きの来ないデザインを追求する>
このビジョンは創業当初から掲げられてきました。シンプルで飽きの来ないデザインというのは意外と少なく、見つけたとしても後からよく調べると既にどこかの誰かが世に出していることが多いです。特に当社食器の人気柄の一つでもある水玉模様は、それこそ食器に限らずありとあらゆるところに描かれています。水玉模様自体が商標登録されているものでないので誰でも自由に使えるわけですが、似たようなデザインになってしまうことは、意図的かそうでないかは別として往々にあります。つまりシンプルなデザインというものは真似されやすいということです。

ところが不思議なものでシンプルなものでも追求していくとたとえ全く同じように真似されたとしても、オリジナルを超えることはまずありません。お客様もそれを感じ取りそのようなものは自然と消えていきます。実はシンプルであればあるほどごまかしがきかず、目に見えないノウハウが凝縮されているのです。このビジョンを実行するにはとにかく常に「より良く」という意識で追求していくことが大切です。今後も当社は、シンプルで飽きの来ないデザインを追求していきます。

<原料調合から製造・販売まで一貫体制で行う>
陶磁器の出荷額は年々減ってきておりますので生産体制を一層強固なものにし選ばれる企業へと成長する必要があります。

陶磁器の主な製造工程:成形→乾燥→素焼き→加飾→施釉→本焼き

陶磁器は上記のように多くの工程があり、1人が全ての工程を担当するのは効率が悪いので規模の大きい窯元ではほとんどの場合分業体制がとられています。各工程にスペシャリストがいるわけです。陶芸作家や個人経営の窯元では1人で全て行うところもありますが、原料調合、販売まで行っているところはあまりありません。

当社のように人手がないところはデジタル技術を活用して、少人数でも効率よく生産し自社で販売することで経営が盤石なものとなります。当社は法人化以降積極的にデジタル技術を取り入れ、既に帳簿のデジタル化や会計システム、ECサイトでの販売、3Dプリンターを用いての試作・商品開発など実行しております。

ただ、前述した製造に関してはまだそれほどデジタル化が進んでおりません。今後の具体的な取り組みとしては"NC工作機械"を導入して石膏型を内製化していく計画です。NC工作機械を動かすためにはCAD/CAMといったソフトフェア駆使しなければなりませんが、幸い当社にはソフトフェアを扱える技術があります。今度もこれらの技術を活用してデジタル化を推し進めていき、陶磁器に関することは全て自社で完結するよう体制を整えていく所存です。

【DX戦略を推進するための体制】